企業倫理
最近嫌な思いをした。
協業している会社から樹脂成型品金型発注先をさがしているとの依頼があり、以前より付き合いのある樹脂関連の商社を紹介したのであるが、その後の顛末が良くなかった。
始めに、複数の企業による相見積を経て、打ち合わせの結果、口頭ではあるが発注の確定を約束していただいた。
その後、設計者及びクライアントの担当者を交えて金型の技術打ち合わせを行い、成型品の3Dデータをほぼ確定する段階になったのであるが、いつまで待っても正式な金型発注書が届かない。担当者に確認したところ、さらに他で見積もりを取っている事が発覚し、結局、発注には至らなかった。
この時点で金型業者の準備がある程度進んでいたようで、これを聞いた金型屋の当事者が明らかなルール違反であるという事で憤慨し、損失分の支払いを求めてきたのである。
金型を発注すると言った大元のクライアントに意見をしたところ、適当にはぐらかされ、結局、弊社と協業している会社で損金を支払う事になったようだ。
大元のクライアントにしてみたら、金型屋との打ち合わせで、樹脂成型品の金型作成に関する技術的なデータを入手する事ができ、さらに完成度が高いデータを持って別の発注先に相見積りを取っていたのであるから、技術的なデータを入手したいがために芝居をしていたと取られてもおかしくない状況であったろうと思われる。
これは技術情報の窃盗事件といえるかもしれない。
昔のどこかの国のような話であるが、正式に発注書が出ていないとはいえ、肩書のある人間が会議に出席をし、議事録にも発注をするという事が明記されているわけであるから、後出しじゃんけんのような、このような企業倫理に反する行為は慎むべきだと思う。
皆さんも注意してください。
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